オールスター2015年|ニュースまとめ
 
HR、ダービー優勝からキングは過去5度・・・筒香vs山田

 17日(金)、18日(土)と2日間に渡って開催されたオールスター。試合は交流戦で苦杯をなめたセ・リーグが連勝を収め、パ・リーグにリベンジを果たした。

 各試合の前にはアトラクションとして「ホームランダービー」が行われ、第1戦はDeNAの筒香嘉智、第2戦はヤクルトの山田哲人と、試合と同じくこちらもセが2連勝。強打者たちによるアーチの競演でオールスターを盛り上げた。

 オールスターの「ホームランダービー」が始まったのが08年。創設から7年間で18度の開催で16名の優勝者を輩出した。

 そんな中、「ホームランダービー」を制して本塁打王のタイトルも獲得したという例は5度ある。最近では昨年の広島・エルドレッドがその一人だ。

 前半戦で29本の本塁打を積み上げたエルドレッドは、第1戦でホームランダービーを優勝し、その試合でMVPも獲得。後半戦はまさかの大不振に苦しむも、39試合の出場で8本塁打を記録し、逃げ切りで本塁打王のタイトルを獲得した。

 その前となると2011年まで遡り、第1戦が西武の中村剛也とヤクルトのバレンティンが両者優勝という形で終わり、第2戦は中村が単独で優勝を掴んだ。この2人は、ともにその年の本塁打王に輝いている。

 いわゆる“統一球”問題で揺れた年であり、各選手が軒並み本数を減らした中でバレンティンは最終的に31本、中村は48本の本塁打をマークしてタイトルを掴んだ。

 今年は2試合ともセ・リーグの選手が勝利した「ホームランダービー」。筒香と山田は後半戦でひとつしかないタイトルを争うことになる。

 筒香は5月までに11本を放つハイペースで進んだものの、故障の影響もあって6・7月は1本ずつとペースを落とし、現在セ5位の13本。トップまで6本さと差を広げられている。

 それでも、「ホームランダービー」で見せた軽いスイングながらしっかりと飛距離を稼ぐ打撃は圧巻の一言。優勝した第1戦の第1試合では歴代最多となる9本塁打をマークするなど、2度の挑戦で合計15発を放ち、後半戦の量産に期待を抱かせる内容であった。打率は1位、打点も2位と三冠王も射程に捉えるハマの4番の後半戦から目が離せない。

 一方、第2戦で優勝した山田哲人は、現在19本塁打でリーグトップタイ。筒香とは対照的に6月に7本、7月もここまで5本と気温とともにペースを上げてきている。

 さらに打率も4位につけ、1番が主だった中で打点も3位の48を記録。こちらも後半戦の活躍次第では三冠を狙える位置につける。また、盗塁も現在リーグ2位で、NPB史上初の“本塁打王と盗塁王の両獲り”という快挙にも期待が高まっている。

 果たして、様々な大記録も視野に入れながらの争いとなる今年の「ホームランダービー」優勝者たちの“キング”争い。チーム同様、個人タイトル争いでも抜け出す選手は現れるのか、後半戦の注目ポイントとなりそうだ。


◆ 今年のホームランダービー優勝
・第1戦 筒香嘉智(DeNA)
 → 1回戦:9本 ☆歴代最多 
 → 決勝:6本

・第2戦 山田哲人(ヤクルト)
 → 1回戦:3本
 → 決勝:1本

◆ 過去の優勝者とその年の後半戦/シーズン通算の本塁打数
<2014年>
・第1戦 エルドレッド(広島)
[後半] 39試合・8本
[通算] 118試合・37本
☆セ本塁打王

・第2戦 陽岱鋼(日本ハム)
[後半] 61試合・12本
[通算] 125試合・25本

<2013年>
・第1戦 ブランコ(DeNA)
・第2戦 ブランコ(DeNA)
[後半] 51試合・11本
[通算] 134試合・41本

・第3戦 ジョーンズ(楽天)
[後半] 61試合・9本
[通算] 138試合・24本

<2012年>
・第1戦 李大浩(オリックス)
[後半] 61試合・9本
[通算] 144試合・24本

・第2戦 ペーニャ(ソフトバンク)
[後半] 54試合・8本
[通算] 130試合・21本

・第3戦 阿部慎之助(巨人)
[後半] 60試合・15本
[通算] 138試合・27本

<2011年>
・第1戦 中村剛也、バレンティン [両者優勝]
● バレンティン(ヤクルト)
[後半] 69試合・12本
[通算] 140試合・31本
☆セ本塁打王

・第2戦 中村剛也(西武)
[後半] 71試合・21本
[通算] 144試合・48本塁打
☆パ本塁打王

<2010年>
・第1戦 城島健司(阪神)
[後半] 59試合・11本
[通算] 144試合・28本

・第2戦 金泰均(ロッテ)
[後半] 52試合・3本
[通算] 141試合・21本

<2009年>
・第1戦 ブランコ(中日)
[後半] 58試合・11本
[通算] 144試合・39本
☆セ本塁打王

・第2戦 中村剛也(西武)
[後半] 44試合・17本
[通算] 128試合・48本
☆パ本塁打王

<2008年>
・第1戦 ローズ、G.G.佐藤 [両者優勝]
● ローズ(オリックス)
[後半] 46試合・14本
[通算] 142試合・40本

● G.G.佐藤(西武)
[後半] 9試合・0本
[通算] 105試合・21本

・第2戦 ラミレス(巨人)
[後半] 49試合・15本
[通算] 144試合・45本

※所属は当時のもの。

 

広島会沢、球宴初出場でMVP

 「オールスター・第2戦、全セ8-3全パ」(18日、マツダ)

 マツダオールスターゲーム2015は18日、マツダスタジアムで第2戦が行われ、全セが8-3で快勝し、2連勝した。地元広島勢が大活躍し、三回に先制の中越えソロを放った会沢翼捕手(27)が最優秀選手(MVP)に輝いた。新井貴浩内野手(38)が2安打1打点で敢闘選手賞。真っ赤に染まったスタンドが沸きに沸いた。

 夢心地でお立ち台に上がった。本拠地の大歓声は、やはり特別だった。初出場の会沢が球宴初安打初打点となる先制ソロを放ち、MVPに輝いた。

 「大変うれしいです。本塁打か三振のつもりで打席に入った。最高の結果になって良かった。交流戦でやられていた借りを返せました」。セ・リーグが交流戦で大苦戦したパ・リーグを連破し、笑顔がはじけた。

 会心の当たりだった。0-0の三回1死。ディクソンの直球を完ぺきに捉えた。打球は左中間席へ一直線に突き刺さった。「真っすぐ一本に絞ってました」。捕手ではカープ史上初となる球宴本塁打。初出場MVPとともに、球史に名を刻んだ。

 ダイヤモンドを一周し、ベンチ前でナインとハイタッチを交わした。最後は前田から抱擁された。エースに球宴4勝目をプレゼント。先発の黒田、2番手の前田はともに2回無失点。「0点を続けられたので良かったです」と、捕手の務めを果たせたこともうれしかった。

 今季は開幕から前田が先発する試合の大半で、昨年までの石原に代わってマスクをかぶる。「うちのエースですから。いろんなことを吸収させてもらえている。これを下の世代にも、僕がいい形で伝えなければ」。正妻への成長を期待する首脳陣に応えたい。懸命の努力が、夢舞台でひとつの成果として現れた。

 今季成績は打率・271、4本塁打21打点。日頃から「打てる捕手が自分の目指すところ。3割は打たないと」と話すだけに、納得はできていない。

 石原との併用が続く先発マスクは、前半戦81試合中で48試合にとどまる。「これをきっかけに頑張りたい。目標はひとつしかない」。24年ぶりの優勝へ、言葉に力を込めた。球宴初出場でMVPに輝いたパンチ力。後半戦でも発揮してみせる。

 
森友哉史上初10代代打でホームラン
 

 ◇マツダオールスターゲーム2015第2戦 パ・リーグ3-8セ・リーグ(2015年7月18日 マツダ)

 伝説のお祭り男に肩を並べた。「マツダオールスターゲーム2015」は18日、マツダスタジアムで第2戦が行われ、全パの西武・森友哉捕手(19)が6回に代打で右越え2ランを放った。球宴での10代での本塁打は、86、87年に同じ西武の清原和博が記録して以来2人目で、代打では史上初めてとなった。試合は全セが8―3で2連勝を飾り、通算成績は全セの77勝80敗10分け。セ、パ両リーグは、20日に後半戦が始まる。

 私服に着替え、球場を出る時だった。森は待ち受けていた大阪桐蔭で1年先輩だった藤浪から「ナイスホームラン!」と声を掛けられると、タメ口で答えた。

 「ちょい詰まりや。思ったほど飛んでいけへんかったわ」。そう言っていたずらっぽく笑った。

 6回1死一塁から代打で出場。大野の投じた初球、148キロ直球を捉えた。初出場した19歳は代名詞のフルスイングで、右翼席に叩き込んだ。マツダスタジアムを埋め尽くした3万641人が沸き返る。しかし、この男の理想は高かった。

 「会心でしたけど、あまり距離が出なかった。もう少し飛んでほしかった」。予告弾だった。第1戦。藤浪との対戦で東京ドームの天井に打球をぶつけたが、一飛に倒れた。この日の試合前、対決を振り返りながら「きょうは屋根がないんで狙いたい。一番打ちたい人だったので悔しいんで」と言い、「初球から120%のフルスイングでホームランを狙う」と宣言。言葉通り、初球を「マン振り」でかち上げた。

 球宴で10代の選手が本塁打を記録したのは、86年、87年の清原和博以来2人目。28歳の年齢差があるため、西武の先輩スラッガーの全盛期を全く知らない。少年時代からの憧れは同じ捕手で左のスラッガーの巨人・阿部だった。ただ、その記録のことは知っており、10代で本塁打する最後のチャンス。「本当に凄いホームランバッター。並ぶチャンスがあるので打ちたい」と意気込み、第2戦で見事に打った。

 ファン投票で史上最年少の両リーグ最多得票を獲得し、2年目で初出場。第1戦は「3番・DH」で出場し、「気まずいですね」と高卒2年目は恐縮しきりだった。「三振か本塁打」と予告したが、2打数無安打で悔しさだけが残った。この日は代打での出場。一塁コーチャーを務めるなどして、出番を待った。代打では通算15打数6安打で打率・400、3本塁打。「大舞台は大好き。ワクワクする」と話す若きスラッガーが、夢舞台で勝負強さを発揮した。

 試合後、敢闘選手賞をコールされ、表彰台に走った。賞金100万円の使い道は決めていない。「まだ頭がゴチャゴチャしているので、ホテルに帰ってゆっくり整理したいですね」。そう言って心を静める姿だけは、紛れもない19歳だった。 (神田 佑)

 ▼中日・大野 完全に力負け。失投ではああいう形になる。でも一振りで決める森君がさすがだなと思いました。

 ▼西武・中村 後輩が打つとうれしい。初球から打てるのは、凄いと思う。

 ▼西武・浅村 まさか打つとは思わなかった。ホンマ凄いです。

 ▼日本ハム・中田 持っているね。こういう舞台で力まず打てるのは凄い。

 ▼阪神・藤浪 凄いとしか言いようがないですね。

 ≪10代初の代打本塁打≫19歳11カ月の森(西)が6回代打で球宴初本塁打。球宴の10代アーチは清原(西)が86年第2戦18歳11カ月、87年第3戦19歳11カ月と2度マークして以来28年ぶり2人目(3度目)。左打者では60年第3戦張本(東映)の20歳1カ月を抜く最年少記録となった。また、球宴の代打本塁打は10年第1戦の山崎(楽)以来37度目。過去の最年少は80年第1戦岡田(神)の22歳7カ月。森は10代初の代打本塁打でこの記録を更新した。

 ◇清原の球宴成績 18度出場しMVP7度は歴代最多。43試合に出場し13本塁打、打率・365、34打点をマーク。13本塁打は王と並ぶ歴代2位。打率・365は100打席以上の打者では落合と並び最高打率で通算34打点も歴代トップ。他に通算得点26は福本と並び歴代最多で通算96塁打、通算最多長打23本、通算40三振もいずれも歴代トップ。

 
セ連勝、原監督の球宴成功
 

<オールスターゲーム:全セ8-3全パ>◇第2戦◇18日◇マツダスタジアム

 2連勝の全セの巨人原辰徳監督(56)は、選手たちをストレートにねぎらった。MVPが広島会沢に決まると「やっぱり会沢君だったね!」と、緒方監督と固い握手。「本当にいい流れ。1戦目の流れで戦うことができた。出てきた選手たちが、非常に躍動した」と穏やかに振り返った。

【写真】全パ中田、後輩藤浪のカーブ攻めに「意味わからん」

 確かに1戦目と似た展開だった。「カープ中心に。先陣を」と送り出した黒田-前田のリレーで序盤を0に。3回、会沢のソロを合図に打線が流れた。4回に4安打、5回に3安打を集め計6点。タレントたちが自然体で技術を披露する空気が、終始ベンチに流れていた。

 「交流戦で負けた分を取り戻す」と宣言し、予告通りに勝った。ただ、その鼓舞は実は、原監督の本心ではなかった。「(順位に関わる)交流戦とは違う。勝つことに、そう意味はなかった」と、ミラールームで打ち明けた。世界一となった09年WBCに象徴されるように、選手を束ねるモチベーターとしての資質が突出している。自分の言葉で全力プレーを引き出し、広島の野球ファンに、見てもらいたかった。

 戦後70年の夏。広島で球宴ができた。原監督は「今回のオールスターも、広島県出身者は多い(4人)。歴史上、外すことのできない県です」と大局を見ていた。野球の楽しさを伝えることができ「いいオールスターでした」と自信を持って言えた。市民球場の時代から変わらず、家族連れが多い。真っ赤に染まったマツダスタジアムを見渡して、大きく手を振った。【宮下敬至】