打率3割8分に乗せた西武・秋山はイチローを超えることができるか?|まとめ

 

 覚醒した西武の秋山翔吾・外野手(27)のバットが止まらない。

 24日のソフトバンク戦では、5打数3安打を放ち、打率を.381まで上昇させた。安打数は、69試合で114。6月14日のヤクルト戦では、63試合目で100安打を打ち、1994年のイチローの60試合、1964年の広瀬叔功の61試合に続き、史上3番目の速さで100安打に到達したが、当時とは試合数の違いもあって、このままでいけば、シーズン236本を打つハイペースである。

 過去に200本を達成したのは、イチロー、青木宣親、西岡剛、ラミレス、マット・マートンの5人。阪神のマートンが記録した214本の最多安打記録の更新も見えてきたが、それだけでなく、打率を.380台に乗せたことで、阪神のランディ・バースが1986年に達成した.389のシーズン最高打率さえ視野に入ってきた。

ちなみにレジェンド、イチローのオリックス時代の最高打率は、2000年の打率.387で、最多安打は、1994年の210本(打率は.385)。果たして秋山は、最高記録を塗り替えて、イチロー超えをも果たすことができるだろうか。

 阪神DCで評論家の掛布雅之氏は「最多安打は可能だろうが、打率.389は難しいのではないか」という意見だ。

「秋山君は打撃フォームの改造でボールを体の近くで長く見ることができるようになって、確実にボールをポイントで捕える確率が高まった。だから打てないゾーンが減り、打球も広角に飛ぶ。打率が上がってくるのもよくわかる。ソフトバンクの柳田と率を争っていることも、緊張感につながっているのだろう。ただ打率は割り算だから、3割8分を超えていくには、四球で打数を減らし、ヒットにしてもイチローに代表されるような足で稼ぐ確実な内野安打が必要になってくる。その2点に関しては、秋山君は、あてはまっていないように思える」

 データを拾ってみると、内野安打で言えば、1994年にイチローは33本(内野安打率は.157)、2000年が29本(.190)。現在の秋山は12本で、内野安打率は.108と低い。

 四球に関して見れば、1986年に最高打率を記録したバースは126試合で82個もあった。秋山の四球は、21個。このペースは、シーズン44個で打数を減らすには足りない。イチローも1994年には51個、2000年には54個の四球を選んでいる。カウント別のデータを見てみると、初球から3球目までに打つケースが全体の約40パーセント。2ストライク1ボール、2ストライク2ボールという追い込まれたカウントからの打数が35パーセントを占めるなど相手もストライクゾーンで勝負してくる傾向があって四球を増やす環境にはない。

 

 

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