清宮、大学生相手の凡打・・・その頃弟は
 
清宮大学生にひねられた、侍デビュー戦で3打席連続三振

 ◇練習試合 U―18日本代表2―4近大(2015年8月24日 近大生駒グラウンド)

 第27回WBSC U―18(18歳以下)ワールドカップ(28日~9月6日)高校日本代表は24日、奈良県生駒市内で近大の1、2年生と練習試合を行い2―4で敗れた。1年生でただ一人メンバー入りした清宮幸太郎内野手(早実)は「5番・DH」で先発出場し3打席連続で空振り三振を喫するなど4打数無安打。侍ジャパン高校代表の初陣で、大学生の洗礼を浴びた。25日は大阪市内で関大とナイターで練習試合を行う。

 8回の第4打席。清宮は“相棒”を持ち替えた。「振れていなかったので」。3打席目まで使っていた黒色のバットより30グラム軽い880グラムの白木のバット。しかし、昨春センバツで福知山成美(京都)をベスト8に導いた近大の1年生左腕・石原のスライダーにバットは空転する。清宮は首をかしげながらベンチに引き揚げた。

 「全然駄目だった。打てないときは打てないので、きょうはそういう日ということで」

 背番号3の侍ジャパン高校日本代表のユニホームを身に着けての初実戦。3回はフォークボールに空振り三振に倒れた。対戦した伊波は美里工(沖縄)のエースとして昨春センバツに出場。今春リーグ戦でも3試合で2勝、防御率0・79で、1年生ながらエース候補と目される右腕だ。6回は上宮太子(大阪)出身の1年生左腕・横山のスライダーに三振。清宮の打席の際には近大ベンチから「抑えたれ!」の声も飛ぶ中、3打席連続の空振り三振を喫した。

 清宮といえば早打ちの側面もあるが、卓越したミート力で三振が少ないのが特長。西東京大会は6試合で3三振、甲子園でも5試合で1三振だった。それが1試合で3三振。「(4月の)日本文理(新潟)との練習試合で4三振ぐらいあった」と話したが、同戦はダブルヘッダーで8打数無安打の計3三振で、どうやら記憶違い。となると、野球人生“初体験”の可能性が大だ。

 ただ、清宮自身は大学生の洗礼を浴びたとは思っていない。「大学生の球も良かったけど、それよりタイミングとか体重移動とか、自分の形に持っていけなかった」と分析。時間の制約で試合前の打撃練習がなかったことに加えてDHでの出場。試合でのリズムという点で不慣れな環境もあった。

 何より、4万人を超える甲子園の大観衆の前でプレーした直後。この日は報道陣とファンを合わせても100人ほどで、「甲子園の時ほど(気持ちが)盛り上がらなかった。自分のいけないところ。次はしっかり気持ちを入れて出直したい」とペロリと舌を出した。試合後のフリー打撃では無安打の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、58スイングで7本の柵越え。そのパワーは、世界一に挑む本番で必ず発揮してくれる。 (東山 貴実)

 

その頃、弟は(小6)・福太郎

 

 高校日本代表合宿(24日、奈良県内)野球のU-18(18歳以下)ワールドカップ(W杯=28日開幕、甲子園など)に臨む高校日本代表が24日、近大の1、2年生チームと練習試合(奈良県内)を行い、2-4で敗れた。

 注目のスーパー1年生・清宮は4打数無安打で3度の空振り三振。木製バットから快音は聞かれなかった。

 「きょうは見ての通り…。全然駄目でした」

 近大の先発伊波(1年)は沖縄・美里工で昨春センバツに出場した本格派右腕。140キロ半ばの直球と低めに制球されたフォークにタイミングが合わなかった。さらに…。初体験のDHにも戸惑った。試合前の打撃練習も行われず、自分のリズムを作れなかった。

 そんな傷心の怪物に吉報も届いた。米国のリトルリーグ世界選手権で、小6の弟・福太郎が、本塁打を放った。「打ちましたねぇ。日本で打ててなかったので、不安な部分がありましたけど、世界大会で打つとは。素直にうれしいです!! 自分も負けていられないんで」と表情がパッと明るくなった。3年生ばかりのチーム内では「キヨミー」と呼ばれ溶けこんでいる。25日の関大との練習試合で再びDHで出場する予定。今度は兄貴の威厳を見せる番だ。