広岡氏の発言についていろいろなまとめ

  11日の阪神-巨人戦は、巨人が6-2で3連勝。両者のゲーム差は7.5に広がり、3位阪神の終戦がいよいよハッキリした。首位の巨人はラストスパートに向けて勢いが加速しそうだが、球界の重鎮で巨人OBの広岡達朗氏(82=元ヤクルト、西武監督)は、巨人には「優勝の資格なし」と断言するのだ。

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■今年の原監督には信念が見えない

 今年の巨人は、優勝したらいけませんよ。
 問題は原監督の采配。今年に限ってはやりたいことが全然分からない。まともな野球をやっていません。電話をかけてもきちっと話ができる律義な男なんだけどね。今のやり方を見ていると、本当に巨人で育った人間なのかと思ってしまう。

 理解できないのは打順の組み方です。阿部が4番を打っていると思ったら、ある日は7番を打ったり8番を打ったり。村田にしてもそう。5月に急にキューバからやってきたセペダに、いきなり4番を打たせるなんて考えられません。阿部も気分が乗らなかったでしょう。「何でオレが7番なんだ」と文句を言ったらいい。去年の楽天は4番のジョーンズ、5番のマギー(退団)を固定して日本一になった。今年の原監督には、オレだったらこれでいく、というブレない形や信念が見えないんですよ。

 4番というのは4番を打つ資格のある人が打つもの。阿部や村田が原監督のお眼鏡にかなわないというのなら、「4番を打てないなら辞めなさい」と言うべき。それなら分かる。7番でも8番でも使うというのは、昔の巨人にはなかった。4番は、打てなくなったら辞める。長嶋も王もそうでした。

 そういう教育が今の巨人にはない。巨人魂というか、伝統が消えてしまったと感じる。4番がダメなら7番、8番を打てばいいというなら、ユニホームを脱がなくていいから楽ですよ。他球団は良くも悪くも巨人の真似をする。原監督にはそういうことも考えてやってほしいですね。

 坂本勇人がヤクルトの宮本慎也(引退)に守備を教わったり、中日から井端弘和が移籍してきて「教わりたい」と言ったりしているけど、時代は変わったと思う。僕は現役時代、一塁の川上哲治さんから「オレは守備が下手だから、捕れる範囲のボール以外は捕らん」と言われた。別所毅彦さんからは「あんな下手なショート代えてくれ」と言われて、絶対にうまくなってやると思ったもんです。

 コーチも良くない。今の巨人で打撃を教えているのは原ひとりだけでしょ。コーチは何をやっとるんだと。よう、選手にモノが言えんのでしょう。

 私も82歳。自分がいなくなった後の日本、日本の野球界はどうなっていくのか。心配で仕方ありません。

▽ひろおか・たつろう 野球評論家。1932年、広島県生まれ。呉三津田高、早大を経て54年に巨人入団。66年オフに現役引退後、広島、ヤクルトでコーチを務め、76年からヤクルト監督を4年、82年から西武監督を4年務め、計8年間で優勝4回、日本一3回。95年にはロッテで日本球界初のGMに就任した。

日刊ゲンダイ

 
原監督は、4番争いを現実のシリーズでやっていた
それほどの戦力だった

ってことでしょ…