G(巨人)大田覚醒|いろいろなまとめ

 7年目を迎えた巨人の大田泰示(24)が15日、実戦でのチーム初本塁打を放った。

 宮崎での1次キャンプ最終日の紅白戦に、原辰徳監督(56)が「現段階での理想」とした主力組の「4番・中堅」で出場。三回の2打席目に新外国人右腕のマイコラスから、2ラン本塁打をバックスクリーン右へ叩き込むと、続く3打席目には久保から右越え二塁打。5打数2安打の大田は「意識していることができて良かった」と中堅から右方向への快打に汗を拭った。ネット裏のブースから試合を見守った長嶋終身名誉監督も「大田はいいねえ」とご機嫌で宮崎の地を後にした。

【写真】昨年巨人キャンプを訪れた清原のファッションは…

 12日は適時打、13日は3安打1打点。紅白戦3試合計12打数6安打、打率5割と好調を維持する大田に「スタートラインから2、3歩。開幕まで10、15歩は必要」と独特の表現で評価した原監督は今年も「強化指定選手」に指名している。キャンプ前には「今年もだまされてみようかな。非常に有望な選手になった。彼の持っているスピード、肩の強さ、動きの躍動感は、なかなか日本球界にはない」と話し、キャンプ序盤には親しい関係者にこう言っていたという。

「大田はチャンスです。戦えるだけのメカニックを持ち合わせてきた。攻走守に結果を出すべくして出しつつある。バッティングで言えば技術的にはバットの出が一定してきた。バットの軌道がスムーズになってきました」

 スポーツ紙は「大田4番で一発」と大騒ぎ。「今年こそ覚醒する」と鼻息が荒い関係者も多い。が、他球団の偵察部隊は意外にも冷静だ。某スコアラーがこう指摘する。

「大田に関しては、結論を出すのはまだ早いでしょ。キャンプでは毎年『強化指定』され、優先的に打席に立たせてもらって7年目。キャンプではいつも目立っているんです。数年前に沖縄キャンプで弾丸ライナーの本塁打を打った時は『今年こそ出てくるな』と思いましたもん。それが、投手の状態が上がってくるオープン戦に突入するといつも急失速。開幕のころにはいなくなっているというパターンを繰り返してきた。だからまだ早いんです」

■インコースはからっきしダメ

 昨季は自身最多の44試合に出場。リーグ優勝後には4番も務めた。前出のスコアラーが続ける。

「昨年の後半あたりから中堅方向を意識するようになって、課題だった変化球への対応はだいぶ進歩している。でも問題はもうひとつある。『インコース』です。これまでの打撃を見ると、ここがまだからっきし。内角をうまくさばけない限り、原監督が何を言おうが、マスコミがどんなに騒ごうが、だまされません」

 確かにこの日の本塁打と二塁打は、いずれも外角だった。まだ紅白戦。ミスターが視察していたこともあり、まさか味方投手が花を持たせてくれたわけではないだろうが、大田の“バカ”当たりを、少なくとも他球団は冷静に見つめているようだ。

 今年初めの系列紙のインタビューで「泰示が4番を奪う2015年になったら。7番、8番を打ってるようではダメ。それなら補欠」と話していた原監督も実は半信半疑なのではないか。ある球界関係者がこう言うのだ。

「巨人の補強はまだ終わっていないって話です。原監督が『長打力のある外野手』と『先発投手』を球団に要望していて、水面下でまだ調査を継続していると聞いています。昨年末に強打のグリエルを取り逃がしたことも一因でしょう。外野のレギュラー有力候補の長野とアンダーソンは手術明けのため、現在二軍調整中。そういう事情があるとはいえ、いまだに打てる外野の外国人を探しているということは、大田の覚醒を完全には信じ切っていないのではないか。もし助っ人外野手なんて入ってきたら、大田は『チャンス』を失うことになるでしょうから」

 キャンプからオープン戦までは強化指定でも、開幕後となれば話は別。いつ新たなライバルが出現するとも限らないのが巨人であり、原監督のやり方である。大田が生き残るには、このペースで打ち続けるしかない。

 
 
インコースはダメ!!…これを克服するかどうかですね
【G(巨人)大田覚醒|いろいろなまとめ】の続きを読む