巨人はここまで弱くなったのか?|東海大相模の野球のほうが見ていて楽しい

 巨人は24日、川崎市のジャイアンツ球場で、シーズン中では極めて異例の特別バント練習を行った。川相昌弘ヘッドコーチ(50)を筆頭に全6コーチが集結。23日の広島戦(マツダ)でバントミスを犯した亀井善行外野手(33)ら指名された5選手が約1時間、黙々と打球を転がした。首位・阪神とは2・5ゲーム差で、25日からは3位・ヤクルトとの3連戦。原辰徳監督(57)は今こそ、ポジティブ思考の大切さを説いた。

 ホームベース付近は瞬く間に大量の白球で埋め尽くされた。ジャイアンツ球場の室内練習場で行われた異例のバント練習。通算533犠打の世界記録を持つ川相ヘッドコーチは、参加した5人に犠打の重要性を説いた。

 「バントも打撃や守備と一緒。しっかり決めないと流れが相手にいってしまう。死にものぐるいで転がそう!」

 今季のバント成功率・698は12球団ワースト。前日の広島戦も2回に投手の田口がスクイズを、8回無死一、二塁では亀井が犠打を失敗するなど、細かなミスが相次ぎ、11安打を放ちながら1点しか奪えずに敗れた。試合後、川相ヘッドの発案でミスを犯した亀井のほか、バント機会の多い立岡、小林、吉川、橋本が休日返上で練習を行うことが決まり、この日朝、広島から帰京後すぐにグラウンドに集まった。

 長打力が望めない分、細かいプレーの重要度は増す。川相ヘッドは「膝と肘で受け止めるように」などと熱血指導。5選手は村田総合コーチら6人のコーチ陣が見守る中、約1時間、打撃マシンを相手にひたすら転がした。亀井は「ミスしないために練習するのは当然。次は失敗できない」と言えば、立岡も「ミスで相手に流れを渡さないようにしたい」と気を引き締めた。

 広島3連戦を1勝2敗と負け越し、首位・阪神とは2・5ゲーム差に広がった。それでも、原監督はあえてポジティブに捉えた。広島空港で対応し「なかなか乗り切れないな、このチームは。面白いチームだ。まだまだ続くぜ、面白さが。カッカしながらよ」と説明した後、「いと楽し!」と声のトーンを上げた。

 残り27試合。「終わったことを考えても何も生まれないよ。生まれるのは白髪か、心の傷か」。この苦境を打開するために「とにかく前を向け」と指揮官は言いたげだった。 (青木 貴紀)

 ▽いと 古語の副詞で、現代語に訳すと「大変、非常に、本当に」という意味。程度の大きさを強調する時に用いる。古典では「いとをかし(=大変趣がある・枕草子)」が有名。ただし、文末に否定語が付いた場合は「たいして、それほど」という意味になる。

 
 
バンド練習よりも打率をあげようよって
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