マー君 手術回避へ|いろいろなまとめ
ヤフーニュース
右肘靱帯の部分断裂で故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(25)が4日(日本時間5日)、ヤンキースタジアムで軽いキャッチボールを再開し、50球を投げた。右肘痛を訴えた7月8日のインディアンス戦以来、約1カ月ぶりにボールを投げたが、「痛みはない。ホッとしている」と回復は順調。手術を回避して9月上旬の復帰を目指す。明日5日(同6日)はさらに強く投げる予定だ。
昼過ぎ、黒のTシャツに短パン姿で外野の芝生に姿を見せた田中はジラルディ監督が見守る中、ロスチャイルド投手コーチを相手に5メートル前後の肩慣らしから始めた。次第に距離を伸ばし、最長で20メートルまで離れてゆっくりとした動作で25球を投げ、計50球。フォームを確かめながらオーバースローで投げた。
かつてこれほどキャッチボールに注目が集まったことはあっただろうか。田中が無事キャッチボールをする姿を確認すると緊張したムードは一気に緩み、ジラルディ監督からも笑顔がこぼれた。キャッチボールは球場の開門前に行われたことから、見逃した日米メディアからは大きな不満が噴出したほどだ。
キャッチボールを終えると、田中は穏やかな表情だった。
早期復帰を期待する報道陣から矢継ぎ早の質問が飛んだことから、「そんなにいろいろ聞かないでください。のんびりやらせてください」と苦笑いする場面もあった。
田中としてはこのままリハビリを続け、手術を経ないで今季中に復帰したい考えだが、あくまでもこの日のキャッチボールは今後の治療方針の目安をつけるテストの第1段階に過ぎない。
ジラルディ監督は「結論を出すには時期尚早。今日のキャッチボールで痛みを全く感じなかったのはとてもポジティブなことだ。だが、まだ軽いキャッチボールをしただけ。やっとスタートを切ったばかりだと考えた方がいい」と慎重だった。
米メディアも田中のキャッチボールを大きく伝えたが、論調は微妙だった。
CBSスポーツは「今季、田中が復帰するかどうかは依然不明だが、この日のキャッチボールが大きなステップとなったことは確かだ」と前向きに報道。
一方、楽観視することに警鐘を鳴らす報道もあり、ニューヨーク・ポスト紙は「復帰までに踏まなければならない数多くのステップの第1歩」と伝えている。スターレジャー紙も、田中の前向きな談話に注目しながらも、ジラルディ監督の「まだ早すぎる」という慎重論を重く受け止める内容だった。
田中はインディアンス戦のあとひじの不具合を首脳陣に訴え、MRI検査の結果、右肘の部分断裂が見つかったが、医師の勧めで、手術ではなくPRP療法(血小板注射)を今月14日に受けた。
ジラルディ監督は、「順調に回復しても、本格的に投げられるまでには少なくとも今から6週間のリハビリが必要である」と明言しており、今月中の復帰は不可能とみられる。リハビリ過程の中で痛みが出た場合、最終的に手術に踏み切る可能性も依然として残されている。
地区3位に低迷し、ワイルドカード争いでのポストシーズン進出を狙うのが現実的になっているヤンキースは、投手陣に故障者が続出して火の車だ。
右腕フェルペスも3日のレッドソックス戦で右肘の不調を訴えDL入り。今週の先発投手のやりくりにも苦戦している。広背筋の肉離れで同じく戦列を離れている右腕ピネダがマイナーで投球を開始できる段階に入っているが、今週中に復帰できるかどうかは不透明。それだけに田中のキャッチボールは大きな希望となったことは間違いない。
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