【巨人】秋季練習スタート、引退の鈴木尚広は円陣であいさつ
巨人が17日、ジャイアンツ球場で来季のV奪回に向けた秋季練習をスタートさせた。
10日にCS第1S(東京D)でDeNAに敗退後、前日16日まで休養日。由伸監督、村田ヘッドコーチら首脳陣、阿部、村田、坂本、内海、沢村、菅野ら主力選手も含め、外国人をのぞき、チーム全員が1週間ぶりに集合した。雨のため室内練習場の限られたスペースでの練習となったが、野手陣はティー打撃、投手陣はキャッチボールやダッシュで汗を流した。
練習前には、今季限りで現役を引退する鈴木尚広外野手(38)が円陣の中央でナインにあいさつ。引退を報告するとともに、「不器用なので、(グラウンド上で)話しかけづらいオーラを出してしまい、すみませんでした」と冗談交じりに話し、ねぎらいの大きな拍手を送られた。
鈴木尚広の母・とし子さん手記・・・・「怪我のデパート」ここまでできるとは思わなかった
巨人・鈴木尚広外野手(38)が13日、都内のホテルで会見し、現役引退を表明した。鈴木の両親は、福島・相馬市内で焼き肉店「すずや精肉店」を経営。自宅兼店舗で無休で働き、鈴木が最も尊敬している存在だ。今回の引退を受け、母・とし子さん(62)がスポーツ報知に手記を寄稿。野球人生を振り返りながら、周囲への感謝の思いをつづった。
【写真】スゴイ~尚広の太極拳ベストショット
10月10日。東京Dでデーゲームが終わった後、電話で「やめるから」と報告を受けました。その後、23時半頃に車で福島の実家に来てくれて、家族で話をしました。寂しい気持ちもありましたが、本人が笑顔で「悔いはないから」と話しているのを見て安心しました。ここまで息子を支えてくださった方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
小さい頃はやんちゃで、落ち着きがなく、手のかかる息子でした。よく父(静雄さん=65)に怒られ、往復ビンタ3、40発なんて当たり前でした。ただ、周りに流されない部分は彼のいいところです。高校の時は友だちが遊んでいても勉強をしていたり、自分を貫ける強さはありました。
20年前の1月14日。ジャイアンツ寮で見送った後、涙を流しながら電車で福島に帰りました。家を出たこともなかった田舎の息子でしたから。最初の5、6年は「けがのデパート」と言われるほど故障との闘い。当時は主人と2人で手紙を寮によく送っていました。主人が「辛抱した木にいつか必ず花が咲く」、「怠けず裏表なくやりなさい。誰かが必ず見ているから」と書いた紙を、尚広は部屋に貼っていたみたいです。
そんな息子がここまで野球をできるとは思ってもいませんでした。20年もプロの世界に置いていただき、感謝しかありません。野球ばかりやってきて「井の中のかわず大海を知らず」ですから、今後は大きな懐を持って生きてほしいです。目線は高く、頭は低く。見聞を広げ、人のいいところをたくさん見いだし、人を育てられる人間になってほしいと願っています。