【2016年プロ野球キャンプ】阿部捕手完全復帰について

 高橋由伸監督(40)が31日、キャンプ地の宮崎に入った。一軍コーチ、選手らと宮崎市内の宮崎神宮に参拝。「今年の優勝とみんながケガしないようにとお願いした」と話すと続けて、阿部を捕手に完全復帰させることを決断した経緯を説明した。

「本人のコンディションはあるけど、本人に『もう一度キャッチャーでどうだい?』という話をしたら、年明けに『キャッチャーいけます』と意気込んでいた。(12年からリーグ)3連覇した強い巨人の象徴。まずは捕手として競争してもらう」

 原前監督が「相当な覚悟で決めた」と実行した阿部の一塁コンバートを1年で差し戻し。阿部本人のためにも、チームのためにも、「これが最もいい形」(ある選手)とチーム内でも好意的に受け止められているが、指揮官には別の狙いもあるともっぱらだ。阿部が捕手に戻れば、一塁のポジションがポッカリ空く。新外国人で4番候補のギャレットが納まる可能性があるものの、まずは本職の左翼からスタートすることが決まっている。

 そこで高卒2年目の岡本和真(19)である。期待の若手有望株。長打力が魅力で、正三塁手・村田とのレギュラー争いに注目が集まる。一方で課題は守備。井端内野守備走塁コーチも「毎日やるかも」と連日特守で鍛える意向を明かしている。

「キャンプが終わって守備力が上達していないようなら、高校時代に主に守っていた一塁へ回る可能性はある。アンダーソンや村田が急場しのぎのように回ってもチームに未来はないでしょう。阿部を捕手に戻して一塁のポジションを空けたのは、何とか岡本を試合に出したい由伸監督の意思の表れかもともっぱらです」(球団関係者)

 宮崎キャンプで臨時コーチを務める松井秀喜(41)もこの日、宮崎入り。夜の全体ミーティングでこう言った。

「ジャイアンツの置かれている立場は非常に厳しいものがあると僕も理解しております。去年は優勝を逃し、特に打てなかったと聞いておりますので、僕は野手出身ですから、この2週間、宮崎キャンプの中で技術的な部分、精神的な部分、そしてピッチャーに対する対策など、いろいろと私の経験を伝えていけたらいいなと思います」

 視察した過去2年より選手への直接指導に前向き。岡本へのアドバイスも現実味を増す。

 岡本はレギュラーにふさわしいか。ポジションは三塁か一塁か。見極めるキャンプが始まった。

 
 
 
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